遺伝子組み換えとは生物の遺伝子を無理やり他の生物の遺伝子に組み込むものです。組み込まれた遺伝子が予想外のたんぱく質を作り、思いもよらぬ事故につながる恐れがあります。また環境中で野生種などと交雑するおそれもあります。人間に対する影響は未知数です。環境に対する問題が大きくフランスなどでは禁止する動きもあります。
a、トウモロコシの遺伝子に微生物の遺伝子を組み込んであります。そんなものを子供に食べさせることができますか。
遺伝子組換えBTトウモロコシは微生物の遺伝子をトウモロコシに組み込みBT毒素を出すようにしたものです。普通生物農薬として使われるBT剤の1万から10万倍の毒素を出すと言われています。その毒素で虫を殺します。そんなのは普通に考えてみればまともなことではありません。将来BSEと同じでどんなことが起こるか予測がつきません。トウモロコシは花粉が飛散する範囲が広いので汚染が簡単に進むことも問題です。私たちは科学的に安全だと言われた農薬が次々と使用禁止になっていったのを知っています。BSEでも科学の限界を見ています。たとえば金時豆と大豆は交配しないのが、自然の摂理ですが遺伝子組み換えは安全装置として働いている種の壁を簡単に越えてゆきます。最大の環境汚染につながる可能性があります。
b、遺伝子組み換えはアレルギー、免疫系に影響があるものがあります。将来危険を呼ぶ可能性があります。
アレルギーを起こすトウモロコシのスターリンク、遺伝子組み換えじゃがいもがラットの免疫力低下を起こしたと報告した科学者もいます。アレルギー、免疫系に影響があるのではないかとの疑念が消えません。
c、遺伝子組み換え作物に発がん性
スコットランドの組織病理学者スタンレー・エーウィンが遺伝子組換え食品には肺がんや大腸がんのリスクを高めると警告しています。
d、グリホサートと永久歯
日本の医師が遺伝子組み換え大豆とセットで使われる農薬ラウンドアップに使われるグリホサートには永久歯を足りなくする可能性を指摘しています。余談ですが、輸入小麦の残留農薬検査でグリホサートが残留農薬として検出されています。
e、BT耐性虫、除草剤耐性雑草が出現
BTトウモロコシが出す毒性に耐性のある害虫が出現しています。また除草剤に耐性のあるスーパー雑草も出現しています。最初の宣伝とは違い除草剤の使用量は増える傾向も見られます。
f、生態系への影響
遺伝子組み換え菜種はアブラナ科の作物と交配し遺伝子汚染を起こす可能性があります。日本でも搾油用の菜種が野生化しているのが発見されています。また輸入のデントコーンコーンの種子が汚染されているのも発見されています。遺伝子組み換え作物による環境汚染問題は深刻です。
g、フランス政府は組み換え作物全体を規制する新法の制定に着手する方針
2008年1月16日の日経新聞によるとフランス政府の諮問機関がフランス国内で栽培されている遺伝子組換えトウモロコシが生態系などに深刻な影響のある疑いがあるという報告書を提出しました。トウモロコシに組み込まれた遺伝子が動植物や土壌の微生物に悪影響を及ぼす恐れがあると指摘しています。世界有数の農業国が組み換え作物の栽培禁止に踏み切れば他国の農業政策に影響を及ぼすでしょう。
h、日本の畜産は遺伝子組み換えのトウモロコシ、遺伝子組み換えの大豆かすが使われています。
日本国内の畜産の餌とトウモロコシの大半はGM(遺伝子組換え)と推定されます。搾油用大豆、菜種のほとんどはGMです。餌用の油粕もほとんど遺伝子組み換えとなります。
i、油、醤油、みそなどには検査不能との理由で遺伝子組換えの表示が義務づけられていません。
現在はトレサビリティが確立できるので遺伝子組み換えの表示は可能です。消費者の選択を可能にすることが重要なのでぜひ表示を義務づけるべきです。