1 EMとは… | 2 世界に広がるEM技術/EM技術について | 3 家庭で出来るEM活用術
次にEMのはたらきについてさらに理解を深めるため、微生物の世界のしくみについて簡単に勉強してみましょう。
自然環境中には植物や人間に病気を起こしたり、川や海を汚染させる働きをもつ悪玉菌(腐敗菌)が約10%存在しています。反対に植物や人間の健康に効果があり、環境を浄化させる働きがある善玉菌(発酵菌)も約10%存在しています。のこりの80%は日和見菌群といって、自分達だけでは腐敗も発酵もリードできず、勢力の強い微生物のいいなりになるという性質があります。
したがって、その環境中の悪玉菌の総数が善玉菌より多くなってしまうと、日和見菌群は多勢に無勢にしたがい、みな悪玉菌と同じ性質(腐敗)を持つようになります。一般に農薬や化学肥料、除草剤、殺虫剤などの化学資材はどれも悪玉菌のはたらきを助長するため、現在の化学農法の弊害はこの現象によって起きているといえます。
しかし、逆もまた然りで、善玉菌の数が悪玉菌を圧倒すれば、日和見菌は善玉菌のはたらきを助けるようになります。その環境下では、動植物が生き生きと健康に育ち、土壌も生命に満ちた「生きた土」となります。このような土壌では生の有機物や堆肥を入れても腐敗することなく、たちまち発酵分解されてボカシ化します。
そこで、EMは特にこの善玉的性質がつよい微生物ばかりを自然界から選抜したものなので、環境中に散布されると善玉菌のつよい援軍となり、シーソーを発酵・蘇生型へと導くため、環境を浄化します。
上の表を見てわかるように、微生物は人間の体をはじめとする、土、水、空気・・・と地球環境のすべてに存在しており、地球は微生物の海に支配されているといっても過言ではありません。そして、これらも例外なく、先に説明した微生物のシーソーゲームを常に競争しています。ですから、環境中の善玉菌を応援し、蘇生型へと導くEM技術の応用範囲は無限かつ万能であるといえるのです。