豆腐はにがりなどの凝固剤で固められます。天然にがりで固めた豆腐は乾燥大豆60kgから400gの豆腐が350個できます。グルコノデルタラクトン(GDL)という添加物で固めた豆腐では大豆60kgから400gの豆腐が750個以上もでき、その数には倍以上の開きがあります。価格の安い豆腐はそれなりの意味があるのです。また国産の豆腐は原料が高いのでどうしても価格が高くなります。豆乳と天然にがりの組み合わせは良質なたんぱくと現代人に不足しがちなマグネシウムが摂取できるので理想的な健康食品です。
- 凝固剤の種類
天然にがり――海水から塩を取った時にできる液体。ミネラルが豊富に含まれる。しかし豆腐を固める力は弱く豆腐の歩留まりはよくないです。銘柄は伊豆大島、オホーツクなど。
にがり(塩化マグネシウム)――化学反応によって作られる場合とにがりを生成したものがあります。
乳化にがり――塩化マグネシウムに乳化剤を入れ徐々ににがりが効くようにしたもの。大量生産に向く方式。出来た豆腐が石鹸臭いという人もいます。
硫酸カルシウム――戦後盛んになったにがりで、化学合成されたものと天然品があります。
- 消泡剤
豆腐を製造するときタンパク質やサポニンなどで泡が出て作業が妨げられるのでモノグリセリド、シリコーンなどの消泡剤を使います。添加物だが製品に残留しないので表示義務がないものですが、良心的なメーカーの中には使わない所もあります。
- 遺伝子組み換え大豆
ほとんどのメーカーは遺伝子組み換えでない大豆NGM(日本の場合は遺伝子組換え大豆GMの混入が5%以下)を使っていますが、アメリカでの大豆生産量が落ちているので諸外国からの遺伝子組み換え大豆を使う動きもあります。免疫力低下の問題など長い期間かけなければ安全性が保障されないので消費者としては監視が必要です。耐性雑草など近年環境の負荷に対する問題が拡大しフランスなどでは全面禁止の動きもあります。
- 原料大豆
輸入大豆がほとんどで国産大豆は10%程度と推定されています。輸入大豆はポストハーベスト農薬を使っている確率が高いです。
- 北海道産大豆
北海道産の大豆はタンパク含有量が低く豆腐が固まりづらいですが、その反面糖分が高くおいしい豆腐ができます。歩留まりが悪いのでどうしても価格が高くなります。しかし一丁の豆腐からたくさんの栄養が取れるので本当は割安と言うことが出来ます。